『今のあなたにとっては普通のこと』
車のエンジンをかける際に、一瞬だけ各種警告ランプが点灯することをご存じでしょうか?「そうだね点灯するね」と思う方もいれば、「そうだっけ?」と思う方もいるでしょう。いずれの場合も、普段は大してきにしていないことだと思います。では、抑うつ状態にあった私はどうであったか。
「これは何か、車に一大事が起こったのではないか」そう思っていました。そして、ガソリンスタンドに直行し、スタッフさんに点検をお願いしたことがあります。状況を伝えると、「それって正常な反応ですよ」と冷静に返されました。大慌てしている私に、スタッフさんはさぞ驚かれたと思います。でも、そのときの私にとっては、本当に心配だったんです。
抑うつ状態にあると、普段なら気にならないことが、妙に気になってしまうことがあります。脳の警戒・不安に関わる働きが過敏状態になっていると、いつもなら流しているような小さな変化を「何かおかしいのではないか」と捉えてしまうこともあります。「気づいてしまう」という表現の方が近いかもしれません。そして、その不安を解消しようとして、普段ならそこまでしないような行動を取ってしまうことがあります。でも、それは今のあなたのとっては、必ずしも「おかしなこと」ではありません。
今の自分の状態の中では、そうした反応が起こることがある。そう捉えてみてください。私自身、抑うつ状態が落ち着いてくるにつれて、こうした極端な藩王や行動は少しずつ減っていきました。そして、もう一つ、実際に私が経験したエピソードがあります。
40代といえば、実家の両親のことが気になってくる年代でもあります。相続の問題が、少しずつ現実的なものとしてのしかかってくる方もいるかもしれません。私の場合、あるとき突然、「実家と近所の土地の境界線はどうなっているのか?」といったことが、ものすごく気になり始めました。そして、法務局や役所に行って、土地の登記や境界線の図面を確認することに奔走し始めました。ところが、そのときの私は抑うつ状態。調べようとしても頭が回らない。それでも「確認しなければ」と思って、動き続けました。これも、実際にあったエピソードです。
今振り返ると、「そこまで今、やらなくてもよかったんじゃないか」と思います。でも、そのときの私には、それが重要なことだった。だからこそ、抑うつ状態のときに普段とは違う行動を取ったとしても、まずは自分を責めないでください。
「今の自分は、いつもと違う反応をしているんだな」そのくらいに捉えていいと思います。そして、少しずつ状態が落ち着いてくれば、必要以上に不安に反応したり、確認のために奔走したりすることも、自然と減っていくことがあります。
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