07 抑うつ状態、適応障害、うつ病の発症で即日解雇はあり得ない

『仕事の心配は今しなくて大丈夫です』

 うつ状態になると、「仕事はどうなるのだろう?」「この状態ではとても仕事を続けるのは厳しい」「辞めさせられたりしないだろうか」そんな考えに支配されてしまうことがあります。私自身も、仕事のことが大きな不安になりました。しかし、精神的な不調だからといって、組織や職場が労働者を解雇できるわけではありません。

 日本では、解雇について、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であるものと認められない場合には、権利を濫用したものとして無効になる、というルールがあります。個々のケースでは、就業規則や雇用契約、休職制度、勤務状況など、さまざまな事情を踏まえて判断されます。

 だから、もし精神的な不調で休んでいるときに、突然、「もう辞めてもらいます」「退職してください」などと言われたとしても、そこで慌てて結論を出さないでください。特に抑うつ状態にあるときには、自分で問題に立ち向かうエネルギーそのものがなくなっていることがあります。私ならそんな状態で一人で「戦え」と言われても、とても無理だったと思います。だからこそ、必要であれば、法律の専門家に相談していいのです。弁護士などの専門家に相談すれば、自分の置かれている状況について、法律上どのように考えられるのかを確認できます。相談料や相談方法は法律事務所によって異なります。無料相談を実施しているところもあれば、有料の場合もあります。

 大切なのは、一人で抱え込まないことです。

そして、もう一つ。抑うつ状態が続いているときには、人生を左右するような重要な判断を、できるだけ一人で急いで決めないことです。

「職場に申し訳ない」「迷惑をかけている」「自分が辞めれば、まわりが楽になる」そんな気持ちも出てくるかもしれません。でも、その時自分は、心身ともに正常な判断をすることが難しい状態にあるかもしれません。退職するか。休職を続けるのか。復職を目指すのか。これらを判断するのは今じゃないです。その場で焦って決めなくていいのです。

まず休む。

必要なら主治医に相談する。そして、労働上の問題があるなら、法律の専門家にも相談する。抑うつ状態のときに、人生を決めるような大きな判断を急がない。これは、私自身が経験を通して強く感じていることです。

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