『気分を無理やり上げなくてよい。そんなの無理だから。というか勝手に上がるから』
抑うつ状態では、お笑い番組やエンタメ動画が観られなくなることを経験しました。「観たくない」というより、「受け付けない」という感じです。以前なら楽しめていた番組なのに、観ていること自体が苦しくなる。
私の場合は、その番組を楽しめていたころの自分を思い出してしまったり、番組に関連つけられた記憶がよみがえったりすることが、逆に苦しくなることがありました。
「これを楽しめていたころは、元気だったのに」「以前の自分は、もっと普通に笑えていたのに」そんなふうに、今の自分と以前の自分を比べてしまう。それが、つらかったのです。音楽も同じでした。好きだったアーティストの曲が聴けなくなったこともありました。以前なら、聴けば気分が上がる曲。それなのに、その時は聴きたいと思えない。むしろ、その曲に結びついた記憶がよみがえって、苦しくなる。そんなこともありました。
だから、無理やり気分を上げようとしなくていいんです。
お笑いを観れば元気になる。明るい番組を観れば前向きになれる。好きな音楽を聴けば気分転換になる。そういうことができる状態なら、それでいい。でも、今そればできないのであれば、無理にやらなくていい。
そんなの無理だから
その時の自分の気持ちやテンションに合った、番組・動画・音楽を選べばいいのです。何も観たくなければ、観なくてもいい。音楽を聴きたくなければ聴かなくてもいい。静かに過ごしたいなら、静かに過ごしていい。「好きだったものを楽しめないなんて、もう元には戻れない」そんなふうに考えなくても大丈夫です。抑うつ状態では、これまで楽しめていたことを楽しめなくなることがあります。それも、今の自分の状態の一つです。そして、安心してほしいことがあります。時間が経ち、治療や休養によって抑うつ症状が改善してくると、以前は楽しめなかったものを、また楽しいと感じられるようになることがあります。
私自身がそうでした。「また観たいな」「また聴きたいな」と思える。音楽を聴いて「やっぱりこの曲いいな」と思える。「やっぱりこの芸人好きだわ」と笑っている。以前の自分に戻ろうと頑張ったわけではありません。少しずつ回復していった結果、気づいたら自然に楽しめるようになっていた。そんな感覚でした。
だから、今は無理に笑わなくていい。無理にテンションを上げなくていい。今の自分に合うものだけを選んでいい。
そして、というか、勝手に上がるから。
回復してくれば、自然と笑えるようになります。私は、それを実感しています。
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