『ニュースから離れてみよう』
抑うつ状態になると、脳の中にある偏桃体を含む、危険や不安に関わる神経系が過敏になっているように感じることがあります。私の場合、特に不安を煽るような情報に敏感になりました。テレビのニュースから伝わってくる災害、事件、事故。
自分が直接巻き込まれているわけではないのに、その情報に触れるだけで、こころが大きく揺さぶられてしまうのです。「大変なことが起きている」「また何か起こるのではないか」そんなふうに、不安がどんどん広がっていきます。自分の安全が脅かされているわけではないのに、自分の中にある警戒アラームが発動してしまう。まるで、自分のことではない出来事まで、自分自身の危険として受け取ってしまうような感覚でした。
もちろん、ニュースそのものが悪いわけではありません。災害や事件、事故などの情報を知ることは、日常生活を送るうえで必要なこともあります。ただ、抑うつ状態にあるときには、必要な情報であっても、それが大きな負担になってしまうことがあります。だから、今は無理にニュースを見なくていい。必要な情報は、状態が落ち着いてから少しずつ取り戻していけばいいのです。
ニュースを見ないことは、現実から逃げているわけではありません。今の自分にとって刺激が強すぎるものから、一時的に距離を置いているだけです。家族にも、この事情を理解してもらえると助かります。「ニュースを見たほうがいい」「世の中で何が起きているか知っておいたほうがいい」そう言われても、今の本人には、それ自体が負担になってしまうことがあります。回復するまでは、不安を煽る情報から少し距離を置く。それだけでも、本人の負担を減らすことができます。今は、世の中のすべてを知ろうとしなくても大丈夫です。まずは、自分のこころを守ることを優先していいのです。
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