『食欲も睡眠も、減るだけではない』
抑うつ状態が強くなると、食欲が減退することがあります。好きだったものも、食べられなくなる。私の場合は、ラーメン一杯を完食できない状態になったこともありました。それまで普通に食べていたものが、食べられない。食べたいという気持ちそのものがなくなってしまう。そうなると、体重も少しずつ減少していきます。ところが、その逆もありました。こころの安定を取ろうとするかのように、過食に走ってしまうこともありました。食べることで、一時的に気持ちを落ち着けようとする。そうなると、当然、体重は増加していきます。また、治療で使用する薬剤によっては、体重が増加することがあります。もし体重の増加が気になるのであれば、自己判断で薬を中止したり減らしたりするのではなく、主治医に、「体重増加は避けたい」と相談してみてください。薬の変更や治療方針については、主治医と一緒に考えていけばいいのです。
そして、睡眠も同じです。「うつ状態になると眠れなくなる」そう思っている人もいるかもしれません。でも、実際にはそうとは限りません。これまで書いてきたように、
・なかなか眠れない「入眠障害」
・眠っても夜中に目を覚ましてしまう「中途覚醒」
・早朝に目覚めてしまう「早朝覚醒」
こうした不眠が起こることがあります。私の場合も、夜中や早朝に目が覚めてしまい、睡眠時間が短くなっていました。ところが、その逆もありました。ずっと眠り続けてしまう。いわゆる「過眠」のような状態です。これまで続いていた脳の興奮状態が、冷却モードに切り替わったかのように、眠り続けてしまう。私には、そんな感覚でした。食欲も、睡眠も「減る」だけではありません。食べられなくなることもある。逆に、食べすぎてしまうこともある。眠れなくなることもある。逆に、眠り続けてしまうこともある。人によっても違いますし、同じ人でも時期によって変化することがあります。だから、「食べられないから、うつ」「眠れないから、うつ」と単純に判断するのではなく、自分自身の変化を観察することが大切です。以前の自分と比べて、「食べ方が変わった」「眠り方が変わった」そう感じたら、それも心身からのサインかもしれません。そして、気になる変化があれば、主治医に伝えてください。自分では「大したことではない」と思っている変化が、治療の上では大切な情報になることがあります。
コメント