10 大事なことは過熱した偏桃体を冷ますこと

 『休職の意味』

 休職中に大事なことがあります。それは、仕事の遅れを挽回しようとして、仕事に関することを気にしすぎないことです。「休んでいる間に勉強しなければ」「仕事のスキルを落としたくない」「復職したときに困らないように、研鑽しておかなければ」そんなことを考えてしまうかもしれません。でも、休職が必要なほど心身が疲弊しているときには、まず休むことが大切です。

 現状の自分に失望して、いきなり再就職先を探すことも、私はおすすめしません。「もう、この職場には戻れない」「別のところへ行ったほうがいいのではないか」そう考えてしまうこともあります。気持ちはわかります。とてもわかります。でも、休職が必要なほど疲弊しているときに、人生や仕事に関わる大きな判断を急いでしないでほしいのです。心身が回復してから考えても、まったく遅くはありません。

 まず、自分自身を回復させることです。

 私の中では⑤⑥で書いた「警報アラームとしての偏桃体」のイメージにつながっています。大事なのは、まるで過熱状態になってしまった警報アラームを、少しずつ落ち着かせていくこと。そのために休むのです。そして、休職中は治療も始まります。

 医師の診察を受け、必要に応じて薬による治療が行われることもあります。薬については「薬には頼りたくない」「一度飲み始めたら、一生やめられなくなるのではないか」と不安になる人もいると思います。その気持ちは分かります。でも薬を使うかどうか、どのくらいの量を使うか、いつ減らしていくかは、自己判断で決めることではありません。

 主治医の治療方針に従ってください。

 調子が良くなったといって、「一生薬から離れられない」と決めつける必要もありません。薬の種類や治療期間、減量・中止の判断は、病状や薬剤によって異なります。状態が安定した後に、主治医と相談しながら減薬や終了を検討する場合もあります。だから、今は先のことを考えすぎなくていい。

 仕事のことも。再就職のことも。薬をいつまで飲むのかということも。

 まずは、目の前の自分の回復に集中する。休職とは、そのための時間でもあるのです。焦らなくていい。今まで頑張ってきたのだから、今度は自分の心身を休ませることに力を使ってください。

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