43 職場における、苦手なお局さんや同僚との向き合い方(また同じことになるを防ぐために)

『一人で戦わなくていい』

あなたが休職に追い込まれるほどのの抑うつ状態になった原因の一つに、職場にいるお局様や同僚の存在があったとしたら。その状況は見過ごすことができません。そのまま何も変わらない状態で復職すれば、また同じことが起こってしまう可能性があります。これまでの章で述べてきた「Reborn」や「新たな武器」。それらを身につけて、以前とは違った心持ちで相手と向き合えることが理想なのかもしれません。しかし、世の中には、それだけでは対処できないほど強大な「お局パワー」「同僚パワー」が存在することもあります。

理不尽な扱い。

理不尽な要求。

納得できない指示。

そして、ハラスメントに該当する可能性のある言動。

嫌がらせ。

そんなものが自分に向けられたら、いったいどうしたらいいのでしょうか。復職したばかりだから、また迷惑かけたくない。せっかく戻ってきたのだから、波風を立てたくない。そう思って、また我慢してしまうかもしれません。でも、ここで、とるべき行動があります。

「毅然として、いろんな人を巻き込んでいく」

私はこれが大切だと思っています。

証拠を残しておく。

まずは、理不尽な扱いやハラスメントと思われる言動があった場合、その事実を記録しておきましょう。

いつ。

何時ごろ。

どこで。

誰から。

何を言われたのか。

その場に誰がいたのか。

できるだけ具体的に残しておきます。

厚生労働省の資料でも、パワーハラスメントの相談記録について、「いつ」「誰から」「どのような言動があったのか」「同席者や目撃者」などを記録する形式が示されています。そして、録音も一つの方法になります。スマートフォンでも構いませんし、持ち歩きやすさを考えればボイスレコーダーという選択肢もあります。ただし、録音については、職場の規定や録音の状況などによって法的な評価が変わる場面があります。

「自分が会話の当事者なら、どんな録音でも必ず問題ない」と一律に考えるのではなく、必要に応じて弁護士などの司法の専門家に確認してください。大切なのは、「言った、言わない」の話にしないことです。事実を、できるだけ客観的に残しておく。これだけでも、その後の相談の仕方が変わってきます。

一人で解決しようとしない

そして、その記録をもとに相談します。直属の上司だけではありません。人事部門、職場の相談窓口、産業医、労働組合、外部の相談機関など、状況に応じて相談先を広げていけばいいのです。厚生労働省も、ハラスメントは個人だけの問題ではなく、会社の問題として相談窓口などにつなげることを案内しています。

上司に相談したからといって、必ずしもすぐに解決するとは限りません。だからこそ、一人の上司に相談して終わりにしない。いろいろな人を巻き込んでいく。これが大切なのだと思います。それでも解決が難しい場合には、労働局の相談・紛争解決制度を利用する方法もあります。実際に、労働局では職場のパワーハラスメントについて、労働者と事業主の間のトラブル解決を支援する制度があります。

さらに、法的な対応が必要だと感じた場合には、弁護士に相談するという選択肢もあります。

「そこまでやるの?」そう思うかもしれません。

私自身も、以前は裁判所や弁護士事務所なんて、自分の人生には一生関係のない場所だと思っていました。でも、実際に足を運んでみると、「ああ、こんなもんか」と感じました。もちろん、何でもすぐに訴訟すればいいという話ではありません。まずは相談する。自分の状況を説明する。証拠を見てもらう。そのうえで、どうするのかが自分にとって一番いいのかを専門家と一緒に考える。それでいいのです。

「職場でこういうことをされています。証拠はこちらです。どう対処すればよいでしょうか」まずは、それからでいい。慰謝料請求などの法的手段を取るかどうかも、その後に専門家と相談して決めればいいのです。大切なのは、自分だけで抱え込ます、行動を起こすことです。

以前、俳優の菅田将暉さん主演のドラマ「ミステリというなかれ」のなかで、印象に残った場面があります。学校のいじめ対応における場面でした。

いじめについて、なぜ被害を受けた側ばかりが転校して学校を変えたり、その場から逃げたりしなければならないのか。そんな「当たり前」に疑問を投げかける場面です。この作品が問いかけていたのは、単に「逃げるな」ということではないと思います。なぜ、被害を受けた側だけが対応に迫られなければならないのか?私は、この視点がとても大切だと思いました。もちろん、身を守るためにその場から逃げることも必要な場合もあります。でも、「自分が弱いから休職した」「自分が戻ってきたのだから、また我慢しなければならない」そんなふうに考える必要はありません。問題があるのなら、問題のある環境そのものにも目を向ける。それが大切なのです。

Rebornしたあなたなら

あなたは、もう以前のあなたではありません。抑うつ状態になり、休職し、苦しい時間を過ごし、それでもここまで戻ってきた。その過程で、あなたは「自分を守る」ということを学んだはずです。だから、もう、一人で抱え込まなくていい。

記録する。相談する。人を巻き込む。必要なら専門家に相談する。その「行動」そのものが、新しい武器になることがあります。私が実際に弁護士事務所や裁判所に足を運んだ経験も、そうでした。「行ってみた」その事実だけで、「自分は、ここまで行動できるんだ」という新しい自身につながることがあります。

それさえも、Rebornしたあなたの「新たな武器」なのだと思います。

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