『まるで振り子のよう』
私は、抑うつ症状が回復に向かっている途中で、「なんだか今日は重い」「いつもより焦燥感が強い」と感じることが、何度もありました。そんなとき、ふと外を眺めると、雨が降っている。
「ああそうか、雨か…」
そう思うことがよくありました。また、夏から秋を迎え、気温が下がり、いよいよ冬が近づいてくると、少し焦燥感が強まることもありました。症状には、一日の中でも変化する「日内変動」があります。また、人によっては天候や季節によって、心身の状態に変化を感じることもあります。
抑うつ状態では、心身が普段より過敏な状態になっているため、私の場合じゃ、こうした環境の変化を大きく受けているように感じました。ここで大切なのは、「今日は調子が悪い。だから、また悪化してしまった」と、すぐに結論を出さないことです。回復は、一直線に右肩上がりで進むわけではありません。良くなったと思った翌日に、また少し重くなる。昨日はできたことが、今日はできない。そんな日もあります。まるで、振り子のように揺れ乍ら、少しずつ回復していく。私は、そんな感覚でした。そして、この揺れを経験する中で、「自分が弱いからこうなるのではない」と考えられるようになっていきました。天候や季節などの環境変化によって心身の状態が変化することは、抑うつ状態に限った話ではありません。
だから、調子が揺れたときに、「自分はダメだ」「また最初に戻ってしまった」と、自分を責めなくてもいい。少なくとも私は、「今は神経も心身も過敏になっている。だから、今日はこういう日なのかもしれない」と捉えることで、少しだけ落ち着きを取り戻せることを体感しました。症状が揺れることと、回復が後退することは、必ずしも同じではありません。焦らなくていい。今日重くても、明日はまた違うかもしれない。振り子は、左右に揺れながら、少しずつ動きを小さくしていく。私は、回復の途中をそんなふうに感じていました。
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