05 偏桃体の特性を知ろう。偏桃体の感受性は人それぞれ。生育背景の影響もあります。

  『警報アラーム偏桃体』

 頭の中には、「偏桃体」という神経核の集まりがあります。偏桃体は、危険や脅威などの刺激を評価し、恐怖や不安といった情動反応や、ストレスへの反応に関わる重要な部位です。いわば、危険を察知したときに反応する「アラーム」のような役割を担っています。

 私自身がうつ状態を経験した時のことを表現するなら、このアラームが、必要なときだけ鳴るのではなく、常時警報器のように鳴り続けてしまったような感覚でした。何も起きていないのに、どこか緊張している。休んでいるはずなのに、心身が休まらない。ちょっとしたことにも敏感になり、頭も身体も「警戒している」ような状態が続く。もちろん、これは私自身の感覚を表現したものです。実際の状態を、単純に「偏桃体が鳴りっぱなしになった」と説明できるわけではありません。また、ストレスに対する反応には個人差があります。幼少期からの環境や、そこで経験したストレス・逆境が、その後の偏桃体を含む脳の発達やストレスへの反応性と関連することを示す研究もあります。ただし、その影響は一様ではなく、幼少期の環境だけで、その人のストレスへの反応が決まるわけでもありません。

 私の場合は、後になって自分の状態を振り返ったとき、「なぜ、こんなにも心身が休まらなかったのだろう」と考えるようになりました。そのとき、偏桃体をはじめとする脳の仕組みを知ることで、自分に起きていることを少し違った角度から捉えられるようになったのです。

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