04 無理が利く間に削られる

『その瞬間は突然に』

 睡眠障害に始まり、徐々に心身が削られていく。それなのに、そのことに気が付かないまま時間が過ぎていきました。そう、あまり自覚が無いのです。眠れていなくても仕事には行ける。疲れていても、なんとか動ける。多少辛くても、「まだ大丈夫」と思ってしまう。むしろ、それまで普通に仕事をこなしてきている人ほど、無理が利いてしまうことがあります。

 私もそうでした。睡眠が変化している。身体は疲れている。それでも、まだ仕事ができる。だから、「これくらいなら大丈夫」と、そのまま日々を過ごしていました。ところが、私の場合、ある日、ある時、ある瞬間に、突然、身体が動かなくなりました。まるで、重力が10倍になったような感じです。それまで普通に歩けていたはずなのに、身体が鉛のように重い。動こうと思っても動けない。それまで穏やかに川を下っていたのに、突如として流れが変わり、滝つぼに落ちていく。私にとっては、そんな感覚でした。

 振り返ってみれば、突然の出来事のように感じました。しかし、その前には、睡眠の変化があり、疲労があり、心身にさまざまな負荷が積み重なっていました。「突然、壊れた」のではなく、気が付かないうちに少しずつ削られていた。今になって私はそう感じています。だからこそ、無理が利いている時期こそ、自分の心身の変化に目を向けてほしいと思います。「まだ、働けるから大丈夫」ではなく、「最近、眠れているだろうか」「疲れが取れているだろうか」「以前と比べて、何か変わっていないだろうか」そんな小さな変化に気づくことが、自分を守るきっかけになるかもしれません。

 職場の管理者の方なら、部下や同僚のちょっとした変化に対しても声掛けをしてあげるのも重要です。「最近、元気なく見えるけど大丈夫?」「疲れていそうだけど大丈夫?」と気にかけてあげてください。それをきっかけに、心の重荷をおろすきっかけになることもあります。

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